遺品整理でよくあるトラブル7選!避けるための業者選びや対処法を詳しく解
更新日2025.06.26

遺品整理は、大切な故人の思い出が詰まった品を整理する重要な作業です。しかし、遺族間での意見の相違や専門業者とのトラブルなど、さまざまな問題が発生することがあります。トラブルを避けて遺品整理を進めるには、信頼できる業者選びや対処法を知ることが大切です。

本記事では、遺品整理でよく起こるトラブルと解決策について、具体的に解説します。トラブルを避けるためのポイントや対処法を理解して、スムーズな遺品整理をおこないましょう。

遺品整理でよくあるトラブル7選

遺品整理でよくあるトラブル7選

遺品整理は故人の思い出が詰まった大切な作業ですが、以下のトラブルが発生することがあります。

  1. 勝手に遺品を処分された
  2. 追加請求された
  3. 作業が雑で遺品が壊れた
  4. 約束の日程で終わらない
  5. 遺品の買取が安すぎた
  6. 業者や親族に遺品をネコババされた
  7. 遺品を不法投棄

それぞれのトラブルについて、具体的に見ていきましょう。

勝手に遺品を処分された

遺品整理でのトラブルの中で深刻なのは、土地の権利書や相続関係書類の重要な書類や大切な思い出の品を、確認や相談なしに業者が処分してしまうケースです。

特に重要書類を誤って捨てられてしまうと、その後の相続手続きや財産管理に重大な支障をきたし、取り返しのつかない事態を招く可能性があります。一度処分されてしまった書類の再発行には多大な時間と労力、費用がかかるため、避けるべきトラブルです。

このような問題が起きる原因は、業者が遺品の価値を十分に理解していないことにあります。遺品は単なる物ではなく、故人の人生の記録であり、残された家族にとってかけがえのない思い出の品です。

業者によっては、遺品をただの不用品として扱い、安易に処分してしまうケースがあります。

【関連記事】遺品整理で捨ててはいけないもの14選!理由や注意点も解説

追加請求された

想定を上回る料金を請求されることも、遺品整理でよくあるトラブルのひとつです。事前の見積もりと実際の請求額が大きく異なることで、依頼者が困惑するケースは少なくありません。

通常、遺品整理業者は現場調査して詳細な見積もりを作成し、依頼者が金額の内訳に対して同意してから作業を開始します。ただし、一部では「予想以上に荷物が多かった」「想定外の作業が発生した」などと言って後から料金を大幅に増額することもあります。また、最初から明確な見積もりを提示しないケースもあるくらいです。

業者とのトラブルを避けるためにも、事前の業者選びは非常に重要です。

作業が雑で遺品が壊れた

悪質な業者に依頼すると物を粗雑に扱われ、大切な品物が壊れてしまうケースも少なくありません。遺品によっては、一度壊れてしまうと修理や修復ができない物品もあります。

遺品整理では思い出の品や貴重品を扱うことが多く、一度壊れてしまうと元に戻せないため、慎重な作業が必要です。

電話対応や見積もりが適当な業者は、遺品整理に携わったとしても遺品を粗雑に扱う傾向があります。そのため、依頼する前に業者の振る舞いを確認することが重要です。

約束の日程で終わらない

遺品整理作業が期日までに完了できないと、残された作業を依頼主自身がおこなわなければならない状況になる場合があります。特に大量の遺品がある場合や、作業の複雑さが予想以上だった場合に起こりやすいです。

作業期日内に終わらない状況でキャンセルを申し出ても、業者から「すでに撤去した荷物は料金を全額支払わない限り、すべて返送する」という対応をされるケースが報告されています。

遺品整理にかかる時間は遺品の量や家屋の広さによって異なるものの、1日2日では終わらないケースもあります。提示された日時があまりにも短い場合は、本当に終わらせられるのか確認すると安心です。

遺品の買取が安すぎた

悪徳業者は、遺品の本来の価値を低く見積もって安く買取り、不当な利益を得ようとします。遺品整理の際、一見すると価値がわからない骨董品や美術品、貴金属類が見つかることが少なくありません。知識不足から、市場相場の半額以下で売却してしまうケースもあり、買取りの際は特に注意が必要です。

それに対し、優良業者は遺品の価値を適切に査定し、相場に見合った正当な金額で買取りしてくれます。

業者や親族に遺品をネコババされた

遺品整理の作業中に、貴金属や現金などの貴重品をネコババする悪質な業者が問題となっています。このような不正行為は、残念ながら信頼関係にある親族間でも発生することがあります。

遺品整理は、故人の家屋内に立ち入って作業をおこなうことが必要不可欠です。整理作業は複数の作業員が同時に作業を進めるため、すべての作業員の動きを監視することは困難といえるでしょう。

このような状況では、仮に盗難されても発覚が遅れる可能性が高く、持ち去られた状況を特定することは難しいです。

遺品を不法投棄

悪質な遺品整理業者は、処理施設を利用せずに不法投棄したり、法律に違反する方法で処理したりするケースがあります。

遺品の処分には、各市区町村が定める廃棄物処理に関する条例やガイドラインに従い、適切に処理することが法律で義務付けられています。しかし、悪質な業者は廃棄物処理に必要な許可証や資格を持っていないため、法令を無視して不適切な処理をおこなうことが多いです。

遺品が不法に投棄された場合、たとえ業者がやったことでも依頼者である遺族にも管理責任が及ぶ可能性があります。行政処分や損害賠償を求められるリスクがあるため、業者選定には細心の注意を払いましょう。

トラブルになりやすい遺品整理業者の特徴3つ

トラブルになりやすい遺品整理業者の特徴3つ

遺品整理業者を選ぶ際は、慎重に判断する必要があります。特に、以下の特徴を持つ業者は後々トラブルに発展する可能性が高いため、注意が必要です。

  1. 作業金額が相場より異常に安い
  2. 電話で見積もりを済ませる
  3. 見積書に曖昧な記述がある

それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

作業金額が相場より異常に安い

遺品整理の料金が安いのは魅力的ですが、あまりにも安価な料金が提示された場合は警戒するようにしてください。何らかの問題が隠れている可能性があるためです。

遺品整理は重労働であり、安全面と効率面から複数人での作業が必須となります。家具や家電製品の運び出しだけでも作業員の人件費や運搬用車両の手配、処分場への搬入費用など、数十万円程度の費用が発生するでしょう。

極端に料金が安い業者は、廃棄物の不法投棄や不適切な処理をおこなって費用を抑えているケースが考えられます。このような違法行為は環境破壊につながるだけでなく、後日大きな問題となる可能性が高いです。

安価な料金設定には必ず何らかの理由があります。業者は価格だけでなく、実績や評判、許認可の有無なども含めて判断し、適正な料金で信頼できる業者を選択しましょう。

電話で見積もりを済ませる

電話だけで料金を決めようとする業者にも、依頼するのを避けたほうが良いでしょう。見積もりを電話やメールだけで済ませると時短になるでしょうが、部屋の状態や作業の難易度を確認せずに正確な料金を算出することは難しいです。見積もりは、必ず現地での確認を依頼することをおすすめします。

現地見積もりをとらない業者は、作業当日になって「想定以上に汚れがひどい」「予想以上に時間がかかる」などの理由をつけて、追加料金を上乗せしてくる可能性が高いです。そのため、事前の現地確認は必ず依頼してください。

見積書に曖昧な記述がある

業者が見積もりに来た際は、詳しい見積書を必ず書面でもらいましょう。詳細な見積書を受け取ることで、作業後のトラブルを防ぐことにつながります。見積書には、以下の内容が記載されています。

  • 作業内容
  • 作業時間の見込み
  • 人件費
  • 材料費
  • 諸経費


もし業者が見積書を発行しなかったり、料金の詳細を曖昧にしたりする場合は、要注意のサインです。
別の業者を検討することをおすすめします。

見積書が曖昧のまま作業を進めると、後で高額な料金を請求されたり作業内容や保証が違ったりなど、深刻なトラブルに発展しかねません。

遺品整理でトラブルにならない業者選びのポイント4つ

遺品整理でトラブルにならない業者選びのポイント4つ

信頼できる業者を選ぶことで、スムーズな整理作業ができ、トラブルを未然に防げるようになります。以下4つのポイントを参考に、適切な業者選びをしましょう。

  1. 一般廃棄物収集運搬業の許可を確認する
  2. 契約前に見積書を必ずチェックする
  3. 実績のある業者を選ぶ
  4. 見積もりを複数取り比較する

これらのポイントを確認することで、信頼できる遺品整理業者を見つけられます。

一般廃棄物収集運搬業の許可を確認する

遺品整理業者を選ぶ際は、必ず「一般廃棄物収集運搬業許可」を持っているか確認しましょう。許可を持っていない業者に依頼した場合、遺品が適切に処理されず、不法投棄される危険性があります。

遺品の買取サービスを利用する場合は、中古品の売買をおこなうことを証明する「古物商許可」の有無も必ず確認してください。許可証を保有していない業者が買取サービスをしていると、違法とみなされる場合があります。

許可証を保有している業者であれば、自社の公式ホームページにて記載しているため、アクセスして確認してみてください。

契約前に見積書を必ずチェックする

契約前に見積書を念入りに確認しておけば、料金に関するトラブルを未然に防げます。見積書を確認する際は、以下の項目を必ずチェックしましょう。

  • 基本料金以外の費用が発生する可能性がないか
  • 市場価格から見て妥当な金額であるか
  • 保証期間や範囲、対応方法などの詳細


基本的なチェックポイントを押さえれば安心してサービスを利用でき、予期せぬトラブルを回避できます。

実績のある業者を選ぶ

遺品整理業者を選ぶ際には、業者の実績を確認することが重要です。実績の豊富さは、業者の信頼性を判断する重要な指標となります。

業者の実績は会社のホームページで簡単に確認できます。多くの場合、実績例や過去の作業実績が詳しく掲載されているはずです。

実績や会社情報を公開していない業者は、悪質な業者である可能性も考えられます。業者を選ぶ際は、今までの依頼件数や作業実績などの具体的な数字が記載されているかどうかを必ず確認しましょう。

【関連記事】遺品整理業者の選び方5選!料金相場や依頼するときの注意点も解説

見積もりを複数取り比較する

遺品整理はめったに経験することのない特別な作業であるため、一般的な相場や適正価格を把握することが難しいです。

適切な料金で依頼するために、少なくとも3社以上の専門業者から見積もりを取ることをおすすめします。複数の見積もりを比較・検討することで、それぞれの業者の料金体系の特徴や作業内容の範囲、サービスの質の違いなどがわかります。

見積もり方法としては電話やメールではなく、訪問見積もりが望ましいです。直接自宅に来て見積もりを取ってもらえれば、担当者の対応や姿勢、専門知識などを直接確認できます。遺品の買取価格も同時に査定してもらえるため、メリットは大きいです。

複数の業者による訪問見積もりを活用すれば、信頼できる業者を慎重に選定でき、適正な料金での依頼が可能となります。

【関連記事】遺品整理で見積もりを取るべき理由2選!注意点や費用を抑えるコツも紹介

遺品整理でトラブルが起きたときの対処法3選

遺品整理でトラブルが起きたときの対処法3選

遺品整理はできるだけトラブルなく進めたいところですが、業者とのトラブルはゼロにはできません。このような場合、以下3つの対処法を知っておくと安心です。

  1. クーリングオフをする
  2. 国民生活センター・消費センターに相談する
  3. 警察署・弁護士に相談する

それぞれの対処法について、詳しく見ていきましょう。

クーリングオフをする

業者から高額なキャンセル料を請求された場合でも、契約してから8日以内であれば、無料で契約を解除できます。契約解除の制度は「クーリングオフ」と呼ばれ、消費者保護のために設けられた重要な権利です。

クーリングオフ期間中は、たとえ商品を使用していても、違約金や損害賠償金を支払う必要は一切ありません。また、すでに支払った代金がある場合は全額返金されます。

ただし、8日間の期限を過ぎてしまうと通常の解約となり、クーリングオフ制度は使えません。その場合は契約書に定められたキャンセル料が発生する可能性があるため、期限を把握しておきましょう。

参照:訪問販売|特定商取引ガイド

国民生活センター・消費生活センターに相談する

国民生活センターや消費生活センターは、消費者からのさまざまな相談や問い合わせに対応する公的な機関として設置されています。消費者からの苦情や相談に対して、専門の相談員が丁寧に話を聞き、問題解決に向けた具体的なアドバイスをしてもらえます。

対面でじっくり話をしたい場合は、消費生活センターを利用しましょう。消費生活センターは全国各地の都道府県や市町村に設置されている消費者保護機関であり、地域に密着した相談対応をおこなっています。

相談したい場合はインターネットで「消費生活センター+住まいの地域名」と検索すると、最寄りのセンターの場所や連絡先、受付時間などの情報を簡単に見つけられます。

警察署・弁護士に相談する

業者から不当な請求を受けた場合は、すぐに警察に通報しましょう。警察に相談すると、状況によっては刑事事件として取り扱ってもらえる可能性があります。特に悪質な業者による詐欺や恐喝などの場合は、刑事責任を問われることもあるでしょう。

緊急性のない相談や問い合わせについては、警察相談専用電話「#9110」を利用できます。専門の相談員が対応してくれるため、今後の対応方針について適切なアドバイスを受けられます。

トラブルが深刻化し、損害賠償請求を検討する場合は、弁護士への相談がおすすめです。専門知識を持つ弁護士が、最適な対応策を提案してくれます。

ただし、弁護士への相談や法的手続きには費用が発生します。着手金や成功報酬など、費用体系は弁護士によって異なるため、事前によく確認しておきましょう。

遺品整理でのトラブルまとめ

遺品整理でのトラブルまとめ

遺品整理では、遺品の勝手な処分や高額な追加請求、破損などのトラブルが多発しています。特に、相場より安すぎる料金や電話のみの見積もり、曖昧な見積書を出す業者は要注意です。トラブルを防ぐには、一般廃棄物収集運搬業の許可を確認し、実績ある業者に複数見積もりを依頼したうえで比較することが大切です。

万が一トラブルに見舞われそうな場合は、クーリングオフを検討してください。また、トラブルに発展した場合は消費生活センターや弁護士などに相談しましょう。トラブルに遭わないためにも、優良な遺品整理業者を選定することが重要です。

適切な業者を選ぶことで、遺品整理はスムーズに進められます。タイヨーが提供しているサービス「遺品整理みらいへ」では、遺品整理から不用品回収までさまざまな作業を承っております。電話メールLINEでお見積もりは無料でおこなっており、女性スタッフの対応も可能です。遺品整理士も常駐しておりますので、お困りのことがあればぜひお気軽にご相談ください。

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