ごみ清掃員芸人として大活躍!マシンガンズ滝沢さんとマジトーク

秦「ついにこのブログもメジャーデビューする日が来ましたよ」

田中「また急に、メジャーとか、何を言い出すんじゃ。ドジャースの佐々木か」

秦「そっちのメジャーではなくて、ここに有名人が登場してくれるのです」

田中「誰なん?」

秦「マシンガンズの滝沢さんです」

田中「えっ?」

秦「ごみ清掃員芸人さんとして、テレビやSNS、書籍などで大活躍されている、あの滝沢さんです」

田中「ほんまかいの!」

河出書房新社より発売中『僕の仕事はごみ清掃員。』(→amazon

秦「といってもお忙しい方で広島までは来られませんから、オンラインで田中さんとお話する場をセッティングしました」

田中「なんじゃそりゃ、急すぎるじゃろ」

秦「今日はタイヨーが取り組んでいる女性雇用のこととか、ごみの分別のこととか、二人で語り合ってください」

田中「お、おぅ!」

秦「それでは登場して貰いましょう、マシンガンズ滝沢さんです!」

収集スタッフの顔を思い浮かべて欲しい

マシンガンズ滝沢「はじめまして……ではなく、以前、タイヨーさんの楽曲に登場させて貰って以来です」

田中「覚えててくださいましたか、ありがとうございます!」

田中「折角ですので、いきなりぶっちゃけて聞いていいですか。タイヨーのこと、どう思います?」

滝沢「やはり女性スタッフが多いのは良いですよね。逆に聞きたかったんですよ。ごみ収集をしていると、例えば、袋から汁とか出てくるじゃないですか。ああいう過酷な現場で働くことをどう思うのかな、と」

田中「うちは男も女も関係なく現場に出とるんですよ」

滝沢「そこが凄いですよね。女性スタッフが現場に出ていると、ごみを出す方も“あっ、女の人もいるんだ”って気になってくれそうですよね。そうなると、その後の、ごみの分別とか生ごみの処理とか気を使ってくれそうで、僕はそういう動きが非常に重要だと思っているんです。利用者の皆さんに、スタッフの顔を思い浮かべながらごみ出しとか分別をしてもらいたい」

田中「ぶっちゃけ、そういう動きは感じています。ごみ袋に“いつもありがとう”みたいな書き置きをしてくれる人も増えとるんで」

滝沢「羨ましい」

田中「滝沢さんもたくさんありそうじゃないですか。『このまえ水曜日のダウンタウンで見たよ』みたいな(笑)」

滝沢「楽屋弁当持ち帰り王ですね……あれはフードロス対策です(笑)」

田中「オーベルジーヌのカレー食べてみたい」

滝沢「今度、広島へ持っていきますね(笑)と、それはさておき、どうしてタイヨーさんでは、あれだけ女性スタッフが増えたんですか?」

田中「やっぱり保育園を設置してからですね」

滝沢「施設の中にあるんですよね。それはママとしては働きやすいよなぁ。僕の周囲でも女性スタッフさんが入ることはあっても、また別の問題が発生しちゃったりするんですよ」

田中「どんな問題ですか?」

滝沢「特別扱いされちゃうことですね……」

田中「なるほど。男子校の中に突然女の子が来た、みたいな感じですもんね」

滝沢「そうそう、それで全く別のトラブルが起きてしまったりする」

田中「最初は弊社でもありました。まだ女性が少なかったとき、周囲の男性からマドンナみたいに扱われて、その女性の言うことが絶対みたいになってしまったり」

滝沢「非常にわかります。だからこそ僕も、男女比の適正なバランスってどれぐらいかなぁとは考えていました」

田中「男女比が近くなると、公立の共学みたいな感じで、最終的には個々人の環境やキャラクター次第になっている気がします」

滝沢「いいですね。保育園を設置して女性スタッフが多くなったメリットが現場にかえってきてますね。保育園というのは、そもそも田中さんが発案されたのですか?」

田中「いえ、社長です」

滝沢「素晴らしい。でも、そんなこと、どうやって閃くんですかね……それが不思議なんですよ」

田中「市場調査です」

滝沢「ウェブアンケートとか?」

田中「いいえ、社長がお酒の場で(笑)。昼に子供を預けられる職場があったらいいな、と相談を受けたみたいで」

滝沢「なるほど、深くは聞かないようにしておきましょう(笑)」

田中「あとはタイミングよく、企業主導型保育園の補助金というのもありまして、それを利用しました」

滝沢「なんにせよ、有言実行というのは本当に素晴らしいと思います。たぶん、保育園の延長だと思うのですが、タイヨーさんの施設内に、男女別の綺麗な休憩室があるのも羨ましいです」

もっと現実を知って欲しい

田中「シンプルな質問ですが、なぜ滝沢さんはご自身の活動を配信されていらっしゃるのですか?」

滝沢「やっぱり、もっと知ってもらいたいんですよね。ごみ処理の問題は、実は私達の眼の前にある大きな課題でして……例えば、そう遠くない未来で処分場が足りなくなるけど、みんな、どうすんの?と」

田中「なにか自分たちの日常とは関係ない大きな話なようで、実はリアルな話なんですよね」

滝沢「そうそう。僕も取材をしていただいたり、SNSなどで配信していますが、何度も同じごみ処理方法などを流しているんですよ。なのに、その都度“知らなかった!教えてくれてありがとう!”みたいな反応があります」

田中「複雑な気分になりますね……」

滝沢「もう慣れました(笑)。実際、その努力が実ったのか、周囲の芸人仲間などはかなり分別を気遣ってくれるようになっていまして。彼らがそうしてくれるのは、ごみをまとめるときに、知っている人の顔が浮かぶからなんですよね」

田中「それだけで、めちゃめちゃ変わりそうですね。この生ごみ、いったん搾ってから袋に入れとこか、みたいな」

滝沢「ほんと、そうなんですよ。逆に、知らない土地とか人だったらどうでもいいや、と思っちゃうのか、最近は外国人旅行者の増加に伴って、新たなポイ捨て問題が各自治体で起きていますよね」

田中「広島ですと、厳島神社やその近辺などで苦慮されているようです」

滝沢「日本国内だけなら、以前と比べてペットボトルの処分一つとってもかなり皆さんの意識が変化したと思うんです。それを外から来る方にも徹底してもらうよう、入国の際にどこかで告知していただけたら良いな」

田中「わかりやすいキャッチフレーズなどがあるといいですね」

滝沢「SUSHI! FUJIYAMA! BUNBETSU! みたいな(笑)」

田中「それ、配信してください(笑)」

滝沢「分別と言えば、最近はモバイルバッテリーが本当に怖くて」

田中「火災事故が多発していますよね」

滝沢「電池類は分別の基本、第一歩ぐらいの感覚でいましたが、あれを可燃ごみに出す人がいるのだから困っちゃう。パッカー車(ごみ収集車)の荷台から突然火がもうもうと燃え上がったら、あまりにも危険で」

田中「電池だけじゃなく、使い捨てライターで発火するケースもありますね」

滝沢「それもありますね。そして、こんなに危険な仕事でもあるのに、給料が高くはないから、いくらやり甲斐があると言われても、現実的に厳しいとなったりするケースも聞きます」

田中「ごみなんて他人事だと思われていたら、労働環境もなかなか改善しません。そうした問題も含めて、ほんとうにリアルに厳しい状況だってことを伝えていかねばですね」

滝沢「はい。その点、タイヨーさんみたいに、ちょっとエンタメ要素を入れて取り組んでいるのは非常に良いと思います。今後、こういう流れが広がってほしいです」

田中「わかりました。滝沢さんをちょいちょいお呼びしますので、準備しといてください(笑)」

滝沢「楽屋に弁当たくさん置いといてね(笑)」

田中「出た(笑)」