遠方に住んでいたり仕事を休めなかったりなどの事情で、実家の遺品整理に立ち会えない人は多いでしょう。
遺品整理は立会いなしでも、見積もりから鍵の受け渡し、支払いまで非対面で進められます。ただし、残す遺品や報告方法を作業前に決めておかないと、トラブルへと発展しかねません。
本記事では、立会いなしで遺品整理を進める流れを解説したうえで、起こりやすいトラブルと業者選びのポイントを紹介します。立ち会いなしで依頼しても問題ないのか判断できるようになるので、ぜひご一読ください。
遺品整理は立会いなしで依頼するメリット
遠方に住んでいる人ほど、遺品整理のために現地へ通う負担は重くなります。立会いなしで依頼すると、以下2つのメリットがあります。
- 鍵を預ければ現地に行く必要がない
- 日程調整が不要で好きなタイミングで依頼できる
立会いが困難な人は参考にしてください。
鍵を預ければ現地に行く必要がない
業者が立会いなしでの作業に対応している場合、鍵を預ければ遺品整理の当日に現地へ足を運ぶ必要はありません。鍵の預け方には、以下3通りがあります。
- 書留や宅配便での郵送
- 管理会社や不動産会社からの受け取り
- 近隣に住む親族経由での受け渡し
例えば、北海道に住む人が九州の実家を整理する場合、往復の交通費に加え飛行機でも片道4~5時間ほどの移動時間がかかります。鍵を書留で送れば、移動にかかる費用も時間も必要ありません。
見積もりから作業報告、支払いまで非対面で完結する業者もあり、居住地が海外であっても依頼できます。立会いなしで遺品整理を済ませたい人は、鍵の受け渡しに対応している業者を探してみましょう。
日程調整が不要で好きなタイミングで依頼できる
立ち会う場合は遺族の予定と業者の予定を合わせる必要があるのに対し、立会いなしであれば業者の空いている日に作業を組めます。関係する親族・遺族が複数人いるほど、数週間先まで作業日が決まらないこともあるでしょう。
賃貸物件の退去期限や実家の売却時期が迫っている場合でも、業者の空き日に合わせられます。立会いのために拘束される負担がなくなるため、仕事や介護の予定を崩す心配もありません。
平日に予定を空けにくい人ほど、立会いなしの依頼が向いています。
立会いなしで遺品整理を進める流れ5ステップ
立会いなしの遺品整理は、業者へ連絡してから支払いまでの流れが対面の依頼とは異なります。実際の現場では、以下の流れで進められます。
- 電話やメールで見積もりを依頼する
- 遺品の仕分け方を伝える
- 鍵を業者に預ける
- 作業中の報告を受け取る
- 完了報告を確認して支払う
全体像をつかんでおくと業者との打ち合わせがスムーズに進むので、ご一読ください。
電話やメールで見積もりを依頼する
立会いなしで遺品整理を依頼する際は、まず電話やメールで業者へ連絡します。間取りと物量を伝えれば、おおよその金額を出してもらえるのが一般的です。「2DKの賃貸アパートで、冷蔵庫と洗濯機、タンスが残っている」と伝えるだけで問題ありません。
近年では、部屋の写真や動画を送るオンライン見積もりに対応する業者も増えているものの、正確な金額を出すには現地見積もりが必要です。立会いが困難な場合は、業者だけで訪問してもらえるのか事前に確認しましょう。
作業費用は業者によって異なるので、複数社から相見積もりを取り、比べたうえで決めてください。
遺品整理の見積もりについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
参考:遺品整理で見積もりを取るべき理由2選!注意点や費用を抑えるコツも紹介
遺品の仕分け方を伝える
立会いなしで依頼するのであれば、遺品の仕分け方は作業前に業者へ伝えておきます。以下の3分類に仕分けるように依頼すれば、業者・ご自身ともに管理がしやすくなるでしょう。
- 手元に残す物
- 処分してよい物
- 判断に迷う物
例えば、仏壇や神棚は供養してから処分するのか、親族の家へ移すのかまで決めておきます。
曖昧な指示は処分ミスにつながるため、迷う物も含めて具体的に伝えてください。
写真やリストを画面で共有しながら確認すると、業者との認識を揃えられます。
鍵を業者に預ける
作業日が近づいたら、業者へ鍵を渡します。鍵の受け渡し方法は、以下の3通りです。
| 受け渡し方法 | 内容 |
|---|---|
| 郵送 | 書留や宅配便での発送 |
| 管理会社経由 | 賃貸物件の管理会社からの手渡し |
| 親族経由 | 近隣に住む親族からの手渡し |
例えば、賃貸物件であれば管理会社から業者へ直接渡してもらうと、郵送にかかる日数を省けます。委任状と身分証のコピーで本人確認をする業者であれば、受け渡しの記録を残せます。
鍵の受領と返却が書面で管理される運用になっているか、預ける前に確認しましょう。
作業中の報告を受け取る
遺品整理の当日は、業者から作業中の報告を受け取れるようにしてください。多くの業者は現場にいない遺族が進み具合を把握できるよう、写真をメールやLINEで送りながら作業を進めてくれます。
写真が届くタイミングは、以下の3つに分けてもらうと流れをつかみやすくなります。
- 作業開始前の室内
- 搬出中の進み具合
- 作業完了後の仕上がり
貴重品や想定外の物が出てきた段階でも連絡が入り、保管か処分かの指示を求められます。追加費用が発生する場合も、作業前に知らせてもらえる運用であれば、請求額が想定外に膨らむ事態を避けられます。
連絡がつかない時間帯がある人は、あらかじめ業者へ伝えておきましょう。
完了報告を確認して支払う
作業が終わると業者から完了報告が届くので、室内の写真を見て、希望どおりの仕上がりになっているか確認します。支払いは銀行振込やオンライン決済に対応している業者が多く、現地での精算は必要ありません。
手元に残してもらった遺品は、宅配便で送ってもらえます。例えば、アルバムと位牌だけを段ボール1箱にまとめて自宅へ届けてもらう、といった流れです。
仕上がりに納得できない部分がある場合は、支払いの前に業者へ伝えてください。鍵の返却方法と時期も、完了報告の段階で確認しておきましょう。
立会いなしの遺品整理で起こりやすいトラブル
立会いなしで遺品整理を依頼することで、遺族の負担が減るものの、現場を見られないことで起きるトラブルもあります。国民生活センターでもいくつか相談が寄せられており、とくに以下の3つの内容が目立ちます。
- 残してほしい遺品が処分される
- 見積もりにない追加費用を請求される
- 作業の仕上がりが希望と違う
起きやすいトラブルを知っておくと事前の取り決めに活かせるので、ぜひ参考にしてください。
参照:こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル-料金や作業内容に関するトラブルが発生しています-|国民生活センター
残してほしい遺品が処分される
立会いなしの依頼でとくに起こりやすいトラブルが、残しておくように伝えた遺品が処分されることです。国民生活センターにも、処分しないよう伝えていた物を事業者が運び出した事例が報告されています。
現地にいなければ、運び出される前に止められません。故人の写真アルバムや実印、不動産の権利書などは、処分されると取り戻せなくなります。
ただし、残す物を写真つきのリストで渡しておけば防げるトラブルでもあります。口頭だけの指示は作業員全員に伝わらないため、書面やメールで残してください。
不安がある人は、作業前に残す物だけを別室へ移してもらいましょう。
見積もりにない追加費用を請求される
作業当日に、見積もりへ含まれていない費用を請求されるケースもあります。国民生活センターの資料では、追加料金を支払った結果、当初の見積金額の約2倍を請求された事例が紹介されています。
追加費用に関するトラブルを避けるために、契約前に以下の3点を明確にしておきましょう。
- 追加費用が発生する条件
- 追加費用の上限額
- 増額が出た際の連絡方法
具体的に「トラック1台分を超えた場合の処分費は1台ごとにいくら」と見積書へ書いてもらうと、トラブルを未然に防げます。優良な業者であれば、増額になりそうな場合は事前に連絡が来るので、早急に応対できるようにしておきましょう。
作業の仕上がりが希望と違う
完了後の室内が希望とは異なるトラブルも少なくありません。清掃まで含むのか荷物の撤去だけなのかで、仕上がりが変わるためです。
例えば、遺品整理後にその家に住み続けるのであれば家財の撤去だけで問題ないでしょう。しかし、賃貸物件の退去となると原状回復の清掃まで必要となります。室内の状態によっては、床や水回りの清掃も必要です。
完了条件を写真などで共有したうえで、契約前に完了時の状態を書面へ残すことで、理想の状態に仕上げてもらえるでしょう。
立会いなしで遺品整理を任せる前に決めておくこと
立会いなしの遺品整理で起きるトラブルの多くは、作業前の取り決めで防げます。任せる前に決めておきたいのは、以下の4つです。
- 残す遺品をリストにして渡す
- 貴重品のありかを業者に伝える
- 作業中の報告方法を決める
- 相続人全員から処分の同意をもらう
順番に見ていきましょう。
残す遺品をリストにして渡す
立会いなしで任せるのであれば、残す遺品をリストにして業者へ渡しておきましょう。部屋ごとに品目を書き出し、写真を添えた一覧が有効です。
残す遺品をリスト化するにあたり、最低でも以下の3点は載せておきましょう。
- 貴重品(現金や通帳など)
- 思い出の品(写真や手紙など)
- 書類(契約書や権利書など)
上記の物品は一度処分してしまうと取り返しが付かず、特に書類は後々の手続きに支障をきたします。
リストは書面かメールで残し、口頭だけで済ませないようにしましょう。さらに「仏間のタンス上段に入っている位牌と写真は残す」と部屋名まで書いておけば、処分されるリスクを下げられます。
「必要そうなら残す」のように、業者へ判断を委ねる書き方は避けてください。
貴重品のありかを業者に伝える
現金や通帳の保管場所も、作業前に業者へ伝えておきます。場所を伝えないまま作業が進むと、ごみと一緒に運び出される恐れがあります。
仏壇の引き出しやタンスの奥、天井裏など見落としやすい場所まで指定してください。故人が現金を封筒へ入れて仏壇へしまう習慣があったのであれば、その場所も含めて業者へ知らせておきましょう。探す範囲を決めておけば、天井裏や床下まで見てもらえます。
見つかった時点で連絡をもらい、保管か返送かを指示する運用にしてもらえば、行き違いを防げるようになります。
貴重品の所在に心あたりがない人は、探索の範囲を業者へ相談してみましょう。経験豊富な業者であれば、故人の方が貴重品を隠す場所について目星を付けて探索してくれます。
作業中の報告方法を決める
連絡手段と報告の頻度は、作業が始まる前に決めておきましょう。取り決めがないまま当日を迎えると、一度も連絡がないうちに作業が終わることも考えられます。
報告方法を決めるにあたり、事前に以下の内容をすり合わせておきましょう。
- 連絡手段と担当者名
- 写真を送るタイミング
- 発見品を連絡する基準
- 追加費用を承認する手順
写真を贈るタイミングの例として「作業開始前と搬出後の2回は写真を送ってもらう」といった形です。電話に出られない時間帯がある人は、作業を止めるのか進めるのかまで決めておきましょう。
発見品の連絡や追加費用の承認、作業範囲の変更は、内容ごとに分けて連絡をもらってください。
相続人全員から処分の同意をもらう
遺品の処分は、相続人全員の同意を得てから業者へ依頼します。遺産は民法898条により、相続人全員の共有財産と定められているためです。
特定の相続人の判断だけで家財を処分すると、他の相続人から反発を招く恐れがあります。後々の相続トラブルを防ぐために、処分する物の一覧を作り、メールで全員へ送って同意を得ておくのがおすすめです。
相続人がご自身だけであれば同意は不要ですが、複数いる場合はやり取りをメールに残しておきましょう。
立会いなしの遺品整理を任せる業者を選ぶポイント
遺品整理業者は数多くあるため、どこへ依頼しようか迷われる人は多いかもしれません。依頼先を誤ると、トラブルへ発展して遺品整理作業が滞る恐れがあります。
立会いなしで遺品整理を任せる業者を選ぶポイントは、以下の4つです。
- 必要な許可を取得しているか確認する
- 見積書に作業範囲が明記されている
- 写真つきの作業報告に対応している
- 遺品の破損に備えた保険に加入している
順番に見ていきましょう。
必要な許可を取得しているか確認する
遺品整理を依頼する前に、業者が必要な許可を取得しているかどうかを確かめておきましょう。不要になった遺品を運搬するためには市区町村が発行する一般廃棄物収集運搬業許可が必要で、無許可の業者が回収すると法律違反にあたります。
遺品整理に関係する許可は、以下の2種類です。
| 許可の名称 | 対象となる作業 |
|---|---|
| 一般廃棄物収集運搬業許可 | 不用品の運搬と処分 |
| 古物商許可 | 家財や貴金属の買取 |
実際に、無許可の業者が回収した不用品が不法投棄された事例も報告されています。許可は市区町村ごとに必要なため、許可のある事業者へ処分を委託しているケースもあります。
遺品整理士は民間資格であるため、廃棄物を運ぶ法的な許可の代わりにはなりません。許可の有無は、業者のホームページや見積書で確認できます。
見積書に作業範囲が明記されている
見積書に作業範囲が細かく書かれている業者であれば、立会いなしでも丁寧に作業してくれることが期待できます。作業範囲を確認するにあたり、見るべき項目は以下のとおりです。
- 作業範囲と作業員の人数
- 処分費や車両費、人件費
- 清掃の有無と範囲
- キャンセル料の規定
例えば「作業一式」とだけ書かれた見積書では、後から追加費用を請求される余地が残ります。同じ条件で複数社の見積書を比べると、抜けている項目が見えてきます。
項目が「一式」だけの業者には、内訳を出してもらうように依頼してください。
写真つきの作業報告に対応している
作業前後の室内写真を送る運用に対応している業者であれば、現場の様子を把握できます。立ち会えない依頼者にとって、現場を確認する手段は写真しかありません。
発見品に管理番号をつけて写真で追える体制があると、確認漏れを減らせるでしょう。写真の枚数やタイミングは業者ごとに違うため、契約前に確認しておくことをおすすめします。
報告の仕組みを確立してもらえない業者は、候補から外してください。
遺品の破損に備えた保険に加入している
作業中の事故に備えて、賠償責任保険へ加入している業者を選びましょう。家財や建物を壊した場合に備える保険として、請負業者賠償責任保険があります。
工事や作業の遂行によって他人の物を壊した際の損害賠償金に加え、弁護士費用なども補償の対象です。
例えば、タンスを運び出す際に壁や床へ傷をつけた場合、賃貸物件であれば原状回復の費用が発生します。保険に加入している業者であれば、修理費用を補償してもらえる可能性があります。
預けた遺品の破損まで補償されるかどうかは契約内容で変わるため、加入の有無と補償の範囲まで確認しておいてください。
立会いなしの遺品整理についてまとめ
実家までの距離が遠かったり仕事で忙しかったりなどの理由で、遺品整理の立会いが困難な人でも、業者によっては立会い不要で対応しています。見積もりから鍵の受け渡し、支払いまで家にいながら完結できます。
作業前にどこまで対応してもらうかを決めておけば、現地に立ち会えないとしても問題なく遂行してくれます。作業を依頼する前に残す遺品のリストや貴重品のありか、報告方法、相続人の同意を済ませておきましょう。
事前の取り決めを整えておくことで、処分ミスや追加請求を防ぎつつ、遺品整理作業を済ませられます。
遺品整理作業が必要であるものの、現地立会いが困難な方は「遺品整理みらいへ」までご相談ください。ご遺族様がご自宅にいながら遺品整理作業を完結させられるように、体制を整えております。見積もりは現地はもちろんオンラインや電話でも受け付けておりますので、電話・メール・LINEにて気軽にお問い合わせください。