DXへの取り組み
株式会社タイヨー(以下「当社」)は、廃棄物の収集運搬・中間処理・最終処分に至る事業全体を通じて、地域社会の環境保全と持続可能な事業運営の両立に取り組んでいます。当社は、デジタル技術を「現場の負荷を下げ、データに基づく意思決定を可能にする手段」と位置づけ、人手不足が続く環境のもとでもサービス水準を維持・向上し、環境事業者としての社会的責務を継続的に果たすため、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進します。
1. 経営ビジョンとDXの位置づけ
当社の事業はドライバー・営業・処理現場を中心とした労働集約型であり、属人化・紙運用・手作業による情報分断が生産性とサービス品質の制約となってきました。当社は、社内の基幹データ(配車・点呼・安全運行・営業・契約等)をデジタル基盤上で連携させることで、(1) 現場の業務負荷削減、(2) 安全運行・コンプライアンスの可視化、(3) 経営判断のデータドリブン化を実現し、持続可能な事業運営へと変革することを経営ビジョンとして掲げます。
2. DX戦略
当社は「現場起点の内製DX」を基本方針とし、外部パッケージへの過度な依存を避け、自社の業務フローに最適化したシステムを段階的に内製・連携します。投資対効果が見える小さな単位で継続的にリリースし、定着状況を指標で測りながら拡大します。具体的な柱は次の3点です。
- 社内ポータル基盤への情報集約:日報・点呼簿・お知らせ・カレンダー・組織図・各種申請を一つのポータルに集約し、全社の情報ハブとします。
- 業務自動化(RPA)と外部データ連携:定型業務を自動化し、顧客・案件・勤怠等の各種クラウドサービスと連携して二重入力を排除します。
- 安全運行・コンプライアンスの可視化:点呼・アルコールチェック・事故傾向・配車を指標化し、安全運行管理を定量化します。
これらの基盤に蓄積したデータは、集約して終わりにせず、次のとおり分析・利活用して業務と意思決定の変革につなげます。
- 安全運行:点呼・アルコールチェックの記録と車載機器の運行データを日次で集計し、実施状況と運転傾向を分析します。分析結果は安全運行統括室による個別指導と、車両・コース単位の改善に反映します。
- 収集運搬:車両の走行実績データと収集現場の位置情報を突き合わせ、コースの回り順・積載効率を分析し、収集コースの再編に用います。
- 経営判断:顧客・案件・売上のデータを基幹サービスから自動連携し、部門別の売上・利益と着地見込みをダッシュボード上で可視化して、月次の経営レビューにおける判断材料とします。
- 顧客の声:お客さまアンケートや現場からの改善提案をデータとして蓄積・分類し、優先順位をつけて改善施策に展開します。
分析に用いるデータの定義と指標は、業務部門と情報システム部門が共同で設計し、実務で使われている状態を維持します。
3. 推進体制
当社は、代表取締役のリーダーシップのもと、戦略推進部を実務執行の中核として各部門に推進担当を置く全社横断体制でDXを推進します。経営層はDX施策を経営課題として位置づけ、定例会議で進捗と投資判断をレビューし、必要な経営資源(人員・予算)を配分します。トップダウンの推進力と、現場起点のボトムアップ提案(改善課題の受付の仕組み)を両立させ、施策を全社へ展開します。
4. デジタル人材の育成・確保
当社は、DX戦略の推進に必要な人材像を、経済産業省・IPA「デジタルスキル標準」を参照したうえで、当社の事業構造に合わせて次の区分で定義しています。
- DX推進リーダー:経営・業務の課題をシステム要件に翻訳し、内製開発と外部サービス連携を統括します。
- 業務デジタル推進担当:各部門に配置し、自部門の課題を起票して、導入後の現場定着を担います。
- データ利活用担当:指標とダッシュボードを設計し、意思決定に使える形でデータを整備します。
- 情報セキュリティ担当:情報資産の保護と、インシデント発生時の対応にあたります。
あわせて、全社員が身につけるべきデジタルリテラシーを、同標準の「DXリテラシー標準」を参照して定めています。
当社の従業員はドライバー・処理現場を中心とし、日常的にPCを用いない職種が多くを占めます。そのため当社は、座学による研修を先行させるのではなく、スマートフォンで完結する点呼・日報・教育の仕組みを先に整えることで、デジタルに触れる機会そのものを増やす方法をとっています。
教育は外部の教材を購入するのではなく社内で内製し、当社の実際の業務・帳票・事例を教材に組み込むことで、受講後すぐに現場で使える内容としています。学習の記録はマネジメントシステムの教育訓練記録としても活用しています。また、社内検定により業務スキルを可視化し、その結果を人事評価に反映する仕組みを整備しています。
5. 達成度を測る指標
当社はDX戦略の達成度を、次の指標群で測定し、経営層・部門長が定期的にレビューしています。
| 指標 | 実績 |
|---|---|
| 社内ポータルの月間利用者数 | 96名(2026年6月時点) |
| システムの改善・機能リリース件数 | 17件(2026年度 第1四半期) |
| リリースの納期遵守率 | 100%(2026年度 第1四半期) |
| 収集現場の位置情報の整備率 | 71.2%(2026年8月時点/2026年度末に100%を目標) |
| 点呼記録のデータ化件数 | 6,937件(2026年度 4〜8月) |
※ 指標は順次拡充し、実績値は年度ごとに更新します。
6. 情報セキュリティ
当社は「情報セキュリティ基本方針」を定め、経営者主導で情報資産の保護に取り組みます。あわせてIPA「SECURITY ACTION」において二つ星(★★)を自己宣言し、デジタル活用の前提となる安全性の確保を継続しています。
当社は、代表取締役を情報セキュリティの最高責任者とし、その下に情報セキュリティ責任者を任命したうえで、社内規程により責任と報告経路を定めています。
具体的には、IPA「5分でできる!情報セキュリティ自社診断」による自己点検を定期的に実施し、その結果にもとづいて改善を進めています。あわせて、アクセス権限の管理、データのバックアップ、通信の暗号化、委託先・利用するクラウドサービスの確認を行っています。これらの取組は、年1回以上の自己点検と、情報システムの構築・運用に関与しない部門による内部監査により運用状況を確認し、発見された課題は期限を定めて是正したうえで、経営層に報告する仕組みとしています。
7. ステークホルダーへの情報発信
当社は、本ページを通じて経営ビジョンおよびDX戦略を社外に公表するとともに、社内に対しては社内ポータル・お知らせ機能を通じてDX施策の進捗・成果・利用方法を全社員へ周知します。改善課題の受付や各種アンケートによる双方向の対話を通じて現場の声を施策へ反映し、顧客・取引先・従業員・地域社会との継続的なコミュニケーションを図ります。
8. 代表取締役メッセージ
当社は廃棄物処理を通じて地域の環境を守る仕事をしています。この仕事は、現場で働く一人ひとりの経験と責任感に支えられてきました。同時に、その経験が個人に閉じたまま受け継がれず、紙と手作業に時間を奪われている——これが私が長く感じてきた課題です。
人手不足はこれから一層厳しくなります。私は、デジタル技術を「人を減らすための道具」ではなく、「現場の負担を減らし、働く人が本来の仕事に集中するための道具」と考えています。だからこそ当社は、外から買ってきた仕組みをあてがうのではなく、現場の困りごとを起点に、自分たちの手で仕組みをつくる「現場起点の内製DX」を選びました。
経営者である私自身が、この取り組みの責任者です。DXを情報システム担当の仕事に任せきりにせず、投資の判断も、優先順位の決定も、経営の課題として私が行います。そして、決めたことがどれだけ実を結んだかを指標で確かめ、その結果を社内外に公表していきます。
目指すのは、経験と勘に頼ってきた仕事を、データにもとづいて判断できる会社に変えることです。それは働く人にとって働きやすい会社であり、お客さまにとって安心して任せられる会社であると考えています。この変革を、最後までやり遂げます。
株式会社タイヨー 代表取締役 加藤 勇樹
制定日 2026年7月1日/改定日 2026年8月24日
株式会社タイヨー
代表取締役 加藤 勇樹